YUKI-SIS では、2017年11月18日（土）－12月2日（土）川﨑広平個展を開催いたします。

今年の夏に東京国立近代美術館工芸館にて開催された「調度・ハッピーのかたち」展では、近年の川﨑広平の作品が30点以上展示され、話題となったばかりです。

今回の展覧会では、LEDを使用した新作を中心に約6点の作品が展示される予定です。

川﨑広平は1972年東京生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科彫刻コース修了。

学生時代より様々な素材で立体彫刻を制作してきた川﨑は、アクリルを素材に選びます。緻密に計算されたフォルム、光と反射率、質感は、完璧な美しさと存在感をたたえています。

川﨑は制作過程において、「何か具体的なイメージを造形するというより、その素材の『要素や可能性』を組み合わせていくことで、どの様に進展するかに興味がある」と語っています。また、制作の為に特に設計図は描かないといいます。ひとつの部品や素材の本質を観察、熟考し、可能性をひとつひとつ試しながら生まれる造形美。作家の脳内で様々な試行錯誤が繰り返されるその行為は、行き先を決めずに出発する旅の感覚にも似ています。時に道に迷いながら、しかし、素材と形を観察することで導かれる、未知なる美への旅。それは少年が憧れる、宇宙への憧れ、未知なる世界への探求、仕組みを探る行為でもあり、たどりついた圧倒的な美しさは神聖な気持ちを観るものにさせてくれます。

手や今までの経験で覚えた手法に、毎回、「未知」な要素を組み込み、新しい自分への挑戦を続ける川﨑広平の世界をどうぞご高覧ください。

Untitled 2017 12.0x18.0xH8.0 cm 　 Acrylic, LED

制作の進め方は、細部の部品あるいは要素の見え方を想像し、それを実際に作るためにはどうするか、から始まる。その細部の要素に、規則性をもたせ連続させたり組み合わせて結合する。その要素が集合した物の見え方に変化をもたせるために、外側の形が決まったり、あるいは部品の形や立体として成立させるための構造や技術的な制約などによって自然に形が決まってしまったりもする。

　この様にしてできた立体は、生物の細胞と外観の関係や、構造からくる建築物の形、工業製品の内部構造と外部形状の関係などにも似ているのだが、これは純粋に意図的なものではない。

何かのイメージを素材を使って実在させるために立体を制作しているというよりも、要素を組み合わせていくことでどの様に進展するかに興味があり　最終的な形状の予想はついておらず　偶発的な見え方を期待しているともいえる。　

川﨑広平

Untitled 2016 16.0x 23.0x H21.0 cm 　 Acrylic, Oil

川﨑　広平　略歴

1972年　　　東京生まれ

1998年　　　武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業

2000年　　　武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻彫刻コース終了

主な個展、展覧会

2003年　　ギャラリー２１＋葉　(東京)

　　　　　 ＧＦＡＬ[Gallery Fine Art Laboratory]　(東京)

2004年　　ギャラリー２１＋葉　(東京)

2005年　　ギャルリ　プチボワ　(大阪)

2006年　　ギャラリー２１＋葉　(東京)

2007年　　αｍプロジェクト２００６　vol.６　[生命の部屋VI　川﨑広平]展

　　　　　 art space kimura ＡＳＫ？　(東京)

　　　　　 ギャラリー２１＋葉　[継続する意志－vol.１４]展　(東京)

　　　　　 ギャルリ　プチボワ　[光の配列]展　(大阪)

2010年　　art space kimura ＡＳＫ？ [光の配置]　(東京)　　　　　　　

　　　　　 ＡＳＫ？Ｐ　常設展　[光の配置] in ＡＳＫ？Ｐ　(東京)　

2011年　　ギャラリー椿ＧＴ２　(東京)　

2012年　　art space kimura ＡＳＫ？ (東京)　

　　　　　 ギャルリ　プチボワ　(大阪)

2013年　　YUKI-SIS（東京）

2014年 art space kimura ＡＳＫ？[光の配置]（東京）

2015年 YUKI-SIS（東京）

2016年 Gallery 21yo-j (東京)

2017年 国立近代美術館工芸館　「ハッピーのかたち」

　　　　　　　 青山Spiral [The Fools]

YUKI-SIS（東京）