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黒坂 麻衣 個展
夢の中の風景 –Sceneries in her dreams -

Retrospective Exhibition by Mai Kurosaka

黒坂 麻衣 個展 夢の中の風景 –Sceneries in her dreams - 

 

会  期

2021年6月30日(水)~7月11日(日)
11:00~19:00  会期中無休

スパイラルガーデン(スパイラル1F
東京都港区南青山5-6-23(地下鉄・表参道駅B1/B3 出口)
入場無料(Admission Free)

 

● 基本的に作品には作家のサインがございません。サインがある場合には備考欄に記載しております。 作家黒坂麻衣が故人のため、お買い求めいただいたお客様には、別途YUKI-SISより作品証明書をお渡しいたします。
● 作品の事前購入をご希望の方は、作品番号、お名前、ご住所、お電話番号、メールアドレスを記入し、6/26(土)締め切りでYUKI-SISにメールでお申し込みください。

 


 

2019年5月に急逝された黒坂麻衣さんの回顧展を、この度青山のスパイラルガーデンにて、開催することになりました。 アトリエに残された165点の作品が展示される予定です。


2019年5月に急逝された黒坂麻衣さんの回顧展を、2020年2月、当時はコロナウィルスがまだ発見されたばかりで、どんなものなのかがわからなかった時期に日本橋三越前のYUKI-SISにて開催しました。彼女のアトリエには、次回の個展用に用意された作品が多数残されており、その作品を中心とした個展には、SNSでの発信、ラジオをはじめYahoo news、文春オンラインなどでも紹介されたこともあり、全国から多くのファンの方々が集まり、72点展示した作品は完売しました。


その後コロナウィルスが蔓延、緊急事態宣言が発せられた頃、CASA BRUTUSなどで彼女の作品が大きく取り上げられ、その結果展覧会を見ることができなかった方々からたくさんのお問い合わせが集まりました。

 

2020年5月に納骨され、7月にお墓参りに伺った際、彼女のアトリエからあらたに200点近い作品が見つかりました。


「あの子は描くことで癒されていたように思います。“私には絵を描くということがあってよかった” といつも言っていました。」


(黒坂さんのお母様)

 


 

黒坂麻衣について

 

画家としてだけでなく、イラストレーターとしても活躍。既視感を思わせるような叙情的な空気感、映画の1 シーンのようなさりげない風景や人の表情には、観るものの心を揺さぶる魅力がありました。語り過ぎず、彼女の目に映った景色や情景を、彼女自身がまるで器になったかのように、抑えた口調で語りかけるような絵でした。


幼少期を北海道で育った彼女の原風景から繰り返し描かれる、「馬」「白鳥」「小鹿」は、彼女の純粋な内面を映し出していました。以前彼女に、馬の作品は黒坂さん自身のポートレイトみたいね、と伝えたことがあります。乗馬をやっていた時期もあるそうで、彼女はそのときも静かに微笑んでいたように思います。彼女の描く馬、鹿、白鳥は、彼らが住む平穏な世界から、まるでこちらの人間界を覗いているような視点でした。それは彼女の内面と外界との関係と重なったのかもしれません。


「幼少期から絵を描くことが好きで、内向的な性格だったこともあり、絵を描くことで外界との接点を見出してきたようです」

(黒坂さんのお母様)

 


 

アトリエに残された165点の作品を7つのカテゴリーで展示

 

イラストレーターとして、主に広告や本の装丁などでも活動していた黒坂麻衣さんですが、描く作品はいくつかのカテゴリーがあったように感じられます。そのカテゴリー別に作品をご紹介することで、黒坂さんの人物像が見えてくるかもしれません。

 

1. 擬人化した動物、動物化した人物

角の生えた少年、服をきてたたずむ鹿や狼。動物を擬人化させたり、人間を動物化させた作品を数多く残しています。
純粋すぎて人間の世界で生きていくのがつらかったのでしょうか。動物のウソのない存在に身をよせたかったのでしょうか。
逆に動物に擬人化したシチュエーションを与えたのはどうしてなのでしょうか。 静かにその絵を見ていると、現実から束の間離れられるような、心の居場所を変えることで一息つけるような気分を感じます。


 

角の生えた少年

角の生えた少年

41.0x31.8 cm(F6)

油彩、キャンバス, 2015

 

Untitled

Untitled

29.5x21.0 cm (A4)

アクリルガッシュ、紙, 制作年不詳

 

Mrs.Deer

Mrs.Deer

40.0 x 30.0 cm 楕円

油彩、キャンバス, 2018

 

Untitled

Untitled

21.0 x 29.5 cm (A4)

アクリルガッシュ、紙, 制作年不詳

 

 

2. 馬

繰り返し描かれた馬の存在は、彼女にとってどんな存在だったのでしょうか。

幼少期から乗馬などで慣れ親しんだ馬は、彼女を守ってくれる憧れの存在でもあり、彼女自身のセルフポートレートのようにも思えます。馬のいる景色には、攻め立てる存在はおらず、静かで温和な世界が広がります。孤独にみえながらも、伸びやかな平和な楽園のような場所。彼女が馬を描くことで、自分の精神性をその場所に置く事で平安を感じていたように思えます。

 

Horse

Horse

33.5x24.5 cm (F4)

油彩、キャンバス, 制作年不詳

 

Untitled

Untitled

33.0x23.5 cm (B4)

アクリルガッシュ、紙, 制作年不詳

 

Horse HIstory

Horse History

36.4x51.5 cm (B3)

アクリルガッシュ、ボード, 制作年不詳

 

Untitled

Untitled

33.0x23.5 cm (B4)

アクリルガッシュ、紙、制作年不詳

 

 

3. 動物や森がでてくる作品

青森出身、北海道育ち。幼少期に乗馬クラブに通っていた経験や、豊かな自然の中で育った環境の影響もあり、馬や鹿、白鳥、森など繰り返し描く作品が多く残されています。1点のみならず、同じテーマや同じ構成の作品を複数残しています。

 

Untitled

Untitled

29.5x42.0 cm (A3)

アクリルガッシュ、紙、制作年不詳

 

Untitled

Untitled

21.0x29.5 cm (A4)

アクリルガッシュ、紙、制作年不詳

 

Untitled

18.5x20.8 cm

アクリルガッシュ、ボード, 制作年不詳

 

Untitled

Untitled

21.0x29.5 cm (A4)

アクリルガッシュ、紙, 制作年不詳

 

 

Untitled

Untitled

29.6 x 42.0 cm(A3)

アクリルガッシュ、ボード, 制作年不詳

 

4. 映画、文学、小説に影響をうけた作品

絵画だけでなく、「詩人になりたかった」という彼女は、映画、文学、音楽など、多くの文化的な表現に触れてきました。
彼女が好んだのは、人気の話題作よりも、クラシックなもの、抒情的な世界がテーマの作品が多かったようです。
映画監督のアンドレイ・タルコフスキーの作品など、影響を受けた映画のシーンなどをモチーフした作品を残しています。

 

眠り

眠り

21.0x22.5 cm

アクリルガッシュ, 2016

 

Untitled

Untitled

23.5x33.0 cm (B4)

アクリルガッシュ、紙, 制作年不詳

 

Untitled

Untitled

21.0x29.5 cm (A4)

アクリルガッシュ、紙, 制作年不詳

 

Untitled

Untitled

21.0x29.5 cm (A4)

アクリルガッシュ、紙、制作年不詳

 

 

5. 夢の中のような風景、憧れの風景、心象風景

残された彼女の作品の中には、同じようなシーンが何度も描かれています。それは、現実なのか、夢なのか曖昧です。しかしそれは彼女の憧れの風景、彼女の精神がその時向いていた風景ともいえると思います。

私たちにとってどこか既視感を覚えるその優しい風景は、観るものに懐かしさを感じさせ癒してくれます。

 

Untitled

Untitled

32x41 cm (F6)

油彩、キャンバス, 制作年不詳

 

Untitled

Untitled

36.4x51.5 cm(B3)

アクリルガッシュ、ボード, 制作年不詳

 

 

Untitled

Untitled

36.4x51.5 cm (B3)

アクリルガッシュ、ボード, 制作年不詳

寺地はるな著「大人は泣かないと思っていた」装丁 集英社

Untitled

Untitled

24.5x33.5 cm (F4)

油彩、キャンバス, 制作年不詳

 

 

Untitled

Untitled

45.5x38.0 cm (F8)

油彩、キャンバス, 制作年不詳

 

Untitled

Untitled

29.7x42.0cm(A3)

油彩、ボード, 制作年不詳

 

 

 

 

 

 

 

 

5. モデル、人物のポートレート

黒坂さんは、外出先のカフェで出会った親子に、「私は画家なのですが、お子さん絵を描きたいので、写真を撮らせてください」とお願いするなど、彼女の美的感覚にあった人に出会うと積極的に声をかけていたといいます。

雑誌のモデルや、SNSでみつけた子供の顔など、その顔に魂を吹き入れて描いています。

 

Untitled

Untitled

41.0x31.8 cm(F6)

油彩、キャンバス, 制作年不詳

 

A Boy

A Boy

33.5 x 24.3 cm(F4)

油彩、キャンバス, 2018

 

 

Untitled

Untitled

36.4x51.5 cm(B3)

アクリルガッシュ、ボード, 制作年不詳

 

Untitled

Untitled

28.0x23.5 cm (A4)

アクリルガッシュ、紙, 制作年不詳

 

 

6. 静物

桃、いちじく、いちご、花、テーブルの上のパンなど、数々の静物画を残しています。そのものの形というよりも、自然光を感じるその存在、その背後にあるストーリーを描いていたように思えます。

 

Untitled

Untitled

19.0x14.0 cm 3点

アクリルガッシュ、仏語古書, 制作年不詳

 

 

Untitled

Untitled

33.0x23.5 cm (B4)

アクリルガッシュ、紙,制作年不詳

 

 

 

untitled

untitled

23.5x33.0 cm (B4)

アクリルガッシュ、紙, 制作年不詳

 

無花果

無花果

21.0x29.7 cm

アクリルガッシュ、紙, 2016

 

Untitled

Untitled

24.5x33.5cm (F4)

油彩、キャンバス, 制作年不詳

 

Untitled

Untitled

25.7x18.2 cm (B5)

アクリルガッシュ、紙,制作年不詳

 

 

7. 被写体となった黒坂麻衣

本展では、黒坂麻衣さんを被写体として撮影し、作品とされた、2 名の写真家の作品をご紹介します。

 

清家正信 プラチナプリント

清家正信 プラチナプリント

 

齋藤陽通 鹿の人

齋藤陽通 鹿の人

 

 

8. 絵本作家とのコラボレーション 「グノコッチョウのたまご」

 

絵本、児童文学を手掛ける馬場めぐむさんと黒坂麻衣の作品のコラボレーション作品、「グノコッチョウのたまご」。
黒坂麻衣作品を古くからコレクションしてくださっていた馬場さんは、黒坂さんとも親しく、いつか一緒に絵本が出したいね、としておられました。
今回、黒坂さんの作品にあわせて「グノコッチョウのたまご」とい うショートストーリーを書き下ろしてくださいました。 会場でお配りするリーフレットに掲載されています。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

【グッズ販売】

 

イラストレータとしても活躍していた黒坂さんの作品は、本の装丁やハンカチ、T シャツなどにも使われています。
本展では、Swimmie ハンカチ10 種、CANALIZET シャツ限定2 枚、ポストカードの販売もさせていただきます。

 


 

黒坂麻衣 略歴 

 

1986年 青森生まれ多摩美術大学絵画科油画専攻卒業Affordable Art Fair in Brussels

2008年 Seattle Art Fair

2013年11月 作品集「Silent Landscape」刊行(浅草橋天才算数塾発行)

2019年5月 逝去

 

 

個展 Solo Exhibition

2012年 個展「IMAGES~ここではないどこか」浅草橋天才算数塾

2013年 個展「Silent Landscape」浅草橋天才算数塾

2017年 個展「Wind」 YUKI-SIS

2018年 個展「Memories of my life」 YUKI-SIS

2020年 個展「彼女がみていた風景」 YUKI-SIS

2020年 個展「夢の中の風景」 スパイラルガーデン(企画YUKI-SIS)

 

 

 

 

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